「闇バイト」や「特殊詐欺」などのニュースを見ていると、「秘匿性の高いアプリ」という言葉を聞いたことはありませんか。
「秘匿性」(ひとくせい)とは
秘匿性
情報が第三者に知られることなく、安全に保管または一時的に隠す能力のことです。
つまり秘匿性の高いアプリとは、高度な暗号化機能などにより、通信内容を閲覧できないアプリのことを言います。
犯罪に利用されるのは、高度なセキュリティを持った機密性の高いアプリが多いですが、アプリ自体は危険や違法性のないものです。
次に犯罪によく利用されるアプリをご紹介します。
「Telegram(テレグラム)」
ロシアが開発した、無料のメッセージアプリです。
「闇バイト」や「特殊詐欺」などの事件で、よく利用されていることが分かっています。
●高度な暗号化機能でセキュリティ性能が高い
●メッセージの復元が難しい
●メッセージのやりとりは運営でも見ることはできない
●スクショの制限や、メッセージの自動削除機能がある
犯罪者の身元がばれたり、足がつかないように、テレグラムのセキュリティの高い便利な機能が悪用されています。
Twitterを入口として、テレグラムに誘導する手口が多いようです。
「Signal(シグナル)」
「Signal(シグナル)」も、アメリカが開発した、無料のメッセージアプリです。
「Telegram(テレグラム)」と同じように、高度なセキュリティを持っています。
テレグラムと同様、暗号化を特徴としており、やりとりの証拠を残しません。
WeChat(微信)
WeChat(中国語:微信/ウェイシン)は、中国のIT企業テンセントが開発した、無料のメッセージアプリです。
コミュニケーション以外にも、オンライン決済やビジネスなど幅広い用途で使用されています。
日本でのLINEのようなアプリです。ほとんどの中国人が利用し、ないと生活が不便なほど浸透しています。
在日外国人を狙って、利用者の多いWeChatを利用する事件が増えてきています。
「Tor Browser(トーアブラウザ)」
匿名性を確保しながらWebサイトを閲覧することができるブラウザです。インターネット検閲を回避できたり、プライバシー保護などの目的で使われています。
Torブラウザーは、一般的にダークウェブへの入り口と考えられています。
ダークウェブとは、GoogleやYahoo検索などでは検索できないようになっています。通常の方法ではアクセスできず、そこでは遺法性が高い情報や、薬物などの違法物品が取引されています。
「Groundwire(グランドワイヤー)」
クラウド通話アプリです。 「03」などの番号が表示される機能を悪用し、詐欺に利用されています。
「捨てメアド」
「捨てメアド」は、たった1回だけの使い捨てのメールアドレスを、複数利用することができるアプリです。
使い捨てのメールを利用する理由は、個人を特定されるのを防ぐためです。
まとめ
秘匿性の高いアプリは、政府の検閲を懸念する人や犯罪者やテロリスト、仮想通貨を利用する人などが使うことが多いようです。
現代型の犯罪は、TwitterなどのSNSを入口としてターゲットを引き込み、秘匿性の高いアプリに誘導していくのが特徴です。
闇バイト、特殊詐欺、違法薬物売買、出会い系のような犯罪に繋がっていきます。
すべて健全なアプリですが、その便利さを逆手に、犯罪に使われているアプリです。
日本ではあまり使われないものばかりですので、わざわざ利用するのはおかしいですよね。
もしも求人情報などからこういったアプリインストールに誘導されたりした場合は注意しましょう。
また、よく悪用されているこれらのアプリの名前やアイコンデザインを知っておくと、あなたのお子さんがサイバー犯罪に巻き込まれるのを予防できるかもしれません。