ディープフェイクとは?
AIを用いて作り出された偽の動画や音声もしくは、その技術のことを「ディープフェイク」と呼びます。
人物の動画や画像の一部を別の動画に結合して、新しい動画を作り出す技術のことです。
ディープフェイクとは、AIによって作り出された偽の動画や音声といったコンテンツもしくは、それを作るための技術を指します。機械学習の一部である「ディープラーニング」と偽物の「フェイク」を組み合わせた造語であり、近年著しい進化を遂げている分野です。
ディープフェイク自体は不正なものではなく、動画配信サービスやSNSといったエンターテイメント分野では、最近ではディープフェイクの動画を作成できるアプリもあるので気軽に使っている人も。
また、他分野での活用も期待されており、国内外で技術の研究が進められています。
ディープフェイクの技術でできることは?
ディープフェイクの技術を使えば、特定の人物の声を録音したサンプルデータを用意して、アプリに喋らせたいセリフを入力すると、AIがサンプルデータの音声を使ってセリフを喋ってくれます。
その音声を別の動画や画像と組みあわせ、セリフに合わせて口や表情を動かすことで、本人が話しているのとほとんど見分けがつかないような動画が作成できます。
例えば以下のような活用例があります。
タレントやモデルの代役
→実在もしくは架空の人物を作成して、テレビなどでタレントやモデルの代役を務める
ニュースキャスターの代役
→実在のアナウンサーから合成したニュースキャスターを作って、深夜の生放送などアナウンサーがいない場合でもニュース番組が放送できる
映像制作での活用
→映画などでセリフを変える必要があっても、撮り直しをせずにセリフを変えられる
ディープフェイクの問題点は?
実際の動画や音声の一部を加工して、やっていない動作や言っていない言葉を発言させるなど、ウソの情報を混ぜて、本当の発言や行動のように見せかけて人々をだます行為が問題になっています。インターネットを使いこなしている人でも見破れないような偽動画もあります。
政治家や芸能人など、影響力のある人の偽動画を作成して人々をだます行為も増えています。例えば総理大臣が、実際には話していないのに、ひどいことを話している偽動画を公開することで、社会や経済が混乱する危険性も。
ウクライナのゼレンスキー大統領とされる人物が国民に降伏を呼びかけるニセ動画が問題になりましたね。区別がつくでしょうか?
偽動画によって選挙運動を妨害したり、ニュース番組のアナウンサーの偽動画でウソの情報を呼びかけたりして人々をだますような行為、企業の幹部になりすまし、社員をだまして金銭をぬすむような手口もあります。
ディープフェイクで作成された偽動画の対策は?
現時点では、ディープフェイクの動画はイントネーションが不自然で、同じ動きをくり返すなどの違和感もあるから、おかしいなと気づくこともあると思います。でも今後、技術が進歩すると、人間の目ではディープフェイクの動画を見ぬくのは難しくなるでしょう。
偽動画にだまされないためには、SNSや動画サイトなどにあがっている動画をすぐには信じないことや、実際に本人が発言したのかどうかを検索したり公式サイトの情報などで調べたりすることが必要です。少しでもおかしいなと思ったらちゃんと確認した方が良いでしょう。
まとめ
ディープフェイクで作成された偽動画への対策にもAIを使う方法も考えられています。偽動画を見破るのにもAIを使うということですね。
ディープフェイクの問題点もいろいろありますが、いろいろな分野で活用されて、今後なくてはならない技術になるでしょう。
誤った情報に左右されないよう、注意していきたいものです。